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お母さんは、えがおで、
おぼえておいてね、っていう。
いまは、ムズカしいことでも。
ボクのかぞくは“そのうちわかる”、なんてひとことで、おわらせない。
だからボクは、ちゃんとうなずく。
いま、やろうとしてることが。
『いつか出逢う大切な人を傷つけない』かどうか、かんがえるんだね。
おぼえておくよ、お母さん。
しっかし。
幼稚園の先生たちは、お母さんに……
なに書いたんだ?
ハグのこと。
さやかちゃんと、きよのちゃんのことだとは思うけど。
お母さんはおこってないし、
わらってるから……いっか。
こういう話は、マサムネだ。
パソコンのでんわで、マサムネをよびだしたら、
うれしそうに、きいてくれた。
マサムネのマネを幼稚園の先生たちにみせたことも、ほうこくする。
やっぱ、マサムネってすげーな、っていったら、
マサムネは、のんびりわらった。
『カンくん。抱き合うのも大切だけど……抱き合わないのはもっともどかしくて、それもいいんだ』
「ふぅん」
『触れそうで触れない感じとか、想いをどう伝えよう? って、相手のことに全神経を集中させる。そういう距離感、切なくて僕は好きだよ』
マサムネがいうなら、
そうなんだろうな。
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