第19話 【再会】

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……ーヤ、 ……マーヤっ…… 「マーヤっ!」 突然と、ソファーに座って洗濯物を畳む私の膝の上に、咲菜ちゃんが勢いよく飛び込んで来た。 「うわっ!えっ、何!?どうしたの?」 手は動かしていたものの、心ここに在らずで考え事をしていた私は、驚いて目を丸くする。   畳みかけていたタオルを胸の下敷きにして、私の膝の上で膨れっ面する少女。 「マーヤ、いっぱいよんだのに。パパ、ただいましたのに」 咲菜ちゃんはダイブした体を起こし、ダイニングキッチンを見て指をさす。 少女の指先に誘導され視線を上げると、そこにはテーブルの前に立ちこちらを見つめる先生の姿が。 「あっ、おかえりなさい!」 帰宅したばかりの彼を見て、膝の上に乗せるバスタオルの存在も忘れ慌ててソファーから立ち上がった。 ぼーっとしていた私に彼の帰宅を知らせ終えた咲菜ちゃんは、嬉しそうに父親のもとに駆け寄り抱きついた。 「ただいま。…落ちたぞ」 「へ?…」…落ちた? 「バスタオル。畳んでる途中だったんじゃないのか?」 先生は少女の頭を撫でながら、きょとんとする私の足もとを指差してフッと小さく笑った。 「あ…うん。今日は遅かったね。待ってて。直ぐに食事を温めるから」 「食事は要らない。検討会の後に医局の奴らと食べて来るってメールしたけど…見てないのか?」 「えっ…そうなんだ。ごめん、気づかなかった…」 足もとから拾い上げたタオルを掴んだまま、きまり悪そうな顔をして声を落とした。
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