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彼は引き寄せた私の自由を奪うかのように、腕の中でしかと抱きしめる。
「せっ、先生!?あ、あのっ…行くなって…」
何事が起きたかと思うほど強く抱かれて、戸惑う私は声を泳がせる。
涙を滲ませていた目は大きく開かれ、心臓がバクバクとせわしなく叩き打つ。
「麻弥…」
彼は私の名を呼び、腕の力をゆっくりと緩めた。彼の広い胸に押し付けられていた頬肉が、圧迫感から解放されていく。
「先生……んんっ…」
顔を上げて目を合わせた瞬間、唇と唇が接触する。
「ん、……っふ…」……待って、先生っ…
上顎を掬い、深く舌を差し込まれ、まるで飢えた獣が熟れた果実を食らう様に私の唇を貪る。
…あっ…はぁ…先生っ…
どうしてこんなキスを……
持って行かれそうな意識の中、耳につくのは唾液を絡め合う淫らな水音。
息も出来ない程の情熱的な口づけは止むことなく、私の火照った熱を刺激する。
交わる吐息が熱い。
息をするのが苦しい。
込み上げ這いまわる熱が思考を奪い、ゾクゾクと体を痺れさせる。
私の唇を塞いだまま、彼は私の背中を抱いていた腕を下ろし、捲し上げたパジャマに指を滑り込ませた。
「…はっ…やっ……ああっ…」
半ば強引ともいえる手つきで揉みしだかれる胸の膨らみと、摘ままれたその先端。
敏感な所を攻められ続ける私は吐息を乱し、ビクッと体を震わせた。
耐え切れず唇を離そうとするが、彼の唇はそれを許してはくれない。
どうして急に……激し…
初めて…こんな先生……っ
いつもの彼の愛で方とは明らかに違う、迫り狂うような激しさが私の身体に火をつける。
困惑しながらも身体は正直で。
彼によって深い快感を教え込まれた貪欲な肉体は、彼の熱情を求めて潤いに満ちて行く。
「…んんっ…は…っ…センセ……どうしたの?…こんな…」
やっとの思いで逃れられた唇。
息を切らす唇の端から、だらしなく唾液が零れた。
熱で浮かされたような目で、彼の瞳を見つめる。
「…このまま、麻弥が欲しくなった」
眉を寄せ、切なげに彼が言う。
……私が欲しい?
それは、欲求を満たすための体のこと?それとも、本当は私を……
「え……はっ…ああん…っ!」
彼の瞳を見つめた瞬間、彼は上に乗せていた私の体を寝かせ覆い被さり、胸を包んでいたその手を下着の中に滑らせた。
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