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意図は分かっている。笑顔でできた返答は、早い。
「うーん、駐車場とかで、させてもらえれば」
しばらく男は考え込んで、了解、と言ってシートベルトを付け直した。私もそれにならってシートベルトをつけた。
「どこがいいかなあー」
独り言であろうが、ここはどうですかと近くの平面駐車場の場所を教える。
私の言葉に従って、男はハンドルを回した。
車が進んで離れる浜松駅を横目に、ああ誰か助けてくれないかなと途方もないことを思うのだ。
その駐車場は浜松駅の高架下、東側の少し離れたところにある。
少しだけ、探らないような会話をした。直ぐに着いた。
ハジ寄りで暗い場所に、頭から停まった。
後ろ行く?と聞かれる。
後ろ行くのは少し危ない気がして、前でいいですよと少し高い作った声で返した。
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