出会い系サイトで、拾われる

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雨はそんなに強くない。 スニーカーはますます濡れる。歩くたびにひたひたと水を踏んだような音になった。 むしょうに泣きたくなる。 17歳なんてこんなもんだ。 すれ違う人は少ない。 足が重たい。それでも自分の世界に帰りたい一心で歩みを止めない。 アパートに着き、鍵を開けて部屋に飛び込んだ。 傘を投げ捨てて靴と靴下を脱いで、玄関のすぐそばにある脱衣所に放った。 床が濡れるのも構わずフローリングを踏んで、ソファに倒れこんだ。 そこで電気を付け忘れたことに気付いて、眉間にシワが寄った。 一人きりだ。ああ私は一人きりだ。 濡れた髪の毛が冷たい。頭をかきむしると、雫が飛んだ。 濡れた手をパーカーで拭い、スマートフォンと一万円札を取り出した。 一万円札をローテーブルの上に手を伸ばして置いて、両手でスマートフォンをいじる。
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