出会い系サイトで、拾われる

3/25
前へ
/75ページ
次へ
頭をかきむしりながら、スマートフォンの画面を落とし、大きく息を吐いた。 本当に、もう、やってらんない! 腐ってる腐ってる。私はこの部屋で腐っていく。 この1Kの部屋で一人。この世界の中に引きこもりたい。 雨粒がガラスを叩く音が絶え間なく続く。それ以外に音はない。明かりさえ、ない。 しばらくぼうっとして、スマートフォンを持ち直し、先ほど開いた出会い系サイトにアクセスする。 新しいメールが五件ほどきていた。 まったく雨の土曜日に、イイとしの男共はなにをやっているのだ。なんて、自分を差し置いて思う。 一件一件、メールを開いていく。 メールの内容はどれも一緒だ。 ぜひ私と会いましょう。 どいつもこいつも、ネットで簡単に自分のイチモツを咥えてくれる女に飛びつく。 間違いない。なんてイージーな人間攻略だ。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加