24人が本棚に入れています
本棚に追加
ぷち、は車の中で、ということで、1は金額。一万円だ。
車の横に立って、助手席の窓から覗き込む。
サイトのプロフィールでは35歳だった。少し若く見える見た目の、スーツ姿の、短髪の男の人。
私は一万円で、車の中でこの男に口でしてやるわけだ。
一生懸命にスマートフォンと睨めっこしていたが、しばらくして私に気づいてハッとしたので、私はにこりと笑う。
車の扉のロックが空いた音を聞いて、私は助手席の扉を開けた。
ナンバーを頭の中で繰り返す。白のプリウス。
「こんにちはー、今日寒いですねえ」
声をかけながら助手席に座って、扉を閉めた。
えっ、あっ、と向こうはどもって、そうですね、と固い笑みを渡しに向けた。
「可愛かったんでビックリしました。俺、アタリだわ」
私もあなたならハズレではないなあ。なんて思う。
けど決してアタリではない。
笑え。
最初のコメントを投稿しよう!