523人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「そっちに行っていい?」
「仕事の邪魔するな」
それぞれの主張はほぼ同時に互いの口から発せられた。
姫良はくすっと笑う。
「邪魔しないよ。気分転換に付き合ってあげるだけ」
「休みの日にわざわざ仕事をしている意味がわかってるのか?」
紘斗は素っ気なく退けようとするが、これで引きさがる姫良ではなかった。
「妹がせっかく来てるのに追い返す気?」
姫良がたたみかけるように云い返すと、電話越しにため息が漏れてくる。
「妹じゃない」
「否定しなかった」
「面倒くさかっただけだ」
「凍えそうなの。ちょっと暖まってっていいでしょ。順番待ってる人が怒ってるよ。じゃ、変わるからね」
最初のコメントを投稿しよう!