クリスマスの涙

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「そっちに行っていい?」 「仕事の邪魔するな」 それぞれの主張はほぼ同時に互いの口から発せられた。 姫良はくすっと笑う。 「邪魔しないよ。気分転換に付き合ってあげるだけ」 「休みの日にわざわざ仕事をしている意味がわかってるのか?」 紘斗は素っ気なく退けようとするが、これで引きさがる姫良ではなかった。 「妹がせっかく来てるのに追い返す気?」 姫良がたたみかけるように云い返すと、電話越しにため息が漏れてくる。 「妹じゃない」 「否定しなかった」 「面倒くさかっただけだ」 「凍えそうなの。ちょっと暖まってっていいでしょ。順番待ってる人が怒ってるよ。じゃ、変わるからね」
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