クリスマスの涙

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拒否を聞かされるまえに受話器を受付嬢へ戻した。 何やら二、三言の会話を終えたあと、受付嬢は許可証を手渡してくれた。 「ありがとう。場所はわかります。それから、お昼くらいに吉川さん宛てで届け物があるので通してくださいね」 姫良は胸もとに許可証を留めながらエレベーターへと向かう。 乗りこむとすぐ十五階のボタンを押した。扉が閉まる。 少しどきどきしながらエレベーターの数字ボタンが順繰りで光るのを見守った。 受付嬢のにこやか仮面の下に少し怪訝そうな表情が宿っていたのを思いだす。 人気あるんだ……。 姫良は独り笑った。
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