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十五階に到着すると、姫良は迷いなく紘斗がいる部署のドアをノックした。
返事がないとわかっているから了解を待たずしてドアを開ける。
「怒ってる?」
「わかってるなら訊くな」
「せっかくのクリスマスなのに機嫌悪い!」
「だれがそうさせたんだ」
「カノジョとデートできなくて拗ねてるの?」
デスクに着いた紘斗は、その端整な顔を冷ややかにして姫良を睨み見る。
「帰れ――」
「ごめん。邪魔しないよ。仕事してて。寒さが取れたら帰るから」
最後までは聞きたくなくて、姫良は目を逸らしながら口早にさえぎった。
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