出場

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「ほら。血がこんなに出ているよ?」 「・・・キチガイ先輩。かなりしんどいんで降参しても良いでしょうか?」 「ダメダメダメダメ。もっと楽しもうぜ?」 「もう、お腹いっぱいなんで」 「じゃあ腹を裂こう」 先輩がナイフを腹をめがけて腕を伸ばす。 「それはまずいって!」 咄嗟に黒星から糸を伸ばし、腕に巻き付けてそれを弾く。 「何だよ?まだまだ行けんじゃないの!」 先輩が楽しそうに笑いながらナイフを振り回す。 「勘弁してくださいよ」 残り少ない魔力を使い、斬撃を飛ばすもそれを簡単に避けられてしまう。 「ヒャッハッハ!踊れ踊れ!」 「もうヤダこの先輩。・・・?」 ナイフを振り回す先輩を見てあることに気がつく。 (・・・あれってヤバくない?) 先輩のナイフがほとんど赤い何かに覆われている。 「お?気がついたか?」 僕の視線に気がついたのか先輩の機嫌がよくなる。 「このナイフは血を吸えば吸うほど強くなる。そして全部が赤に染まった時、最強の一撃を食らわせてやるよ」
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