テスト期間の一時

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「・・・」 「神楽君!ここ教えて!」 「ここは引っ掛け問題だね」 「か、神楽さん。その」 「うん。一緒に勉強しよう!」 「神楽!俺も!」 「カイン。少しは自分でやりなよ」 「・・・」 あぁ、凄く居心地が悪い。 授業で分からない所が復習できると思ったのに、監督の先生は寝ているし、神楽は女子と勉強。 加えて男子達の神楽を睨む目。 殺意で人が殺せるなら神楽は何回死ぬんだろうか? 「・・・おっと」 考え事をしていると、消ゴムを落としてしまう。 立ち上がって取りに行っても良いのだけど、この視線の中でアクションをとるのは気が乗らない。 「・・・なら」 黒星の糸を伸ばす。 一応、平時の際の魔武器の携帯は認められている。 無論、テストとかの不正を行われて困る場合は禁止されているが。 「よっと」 糸を伸ばし、消ゴムを引っ掛け糸を巻き取る。 「・・・とりあえず少しは使いこなせてきたかな」 大会の後、黒星での防御以外でも練習を始めた。 アニメのウォル○ーさんみたいにはいかないけど、たいていの簡単な扱いは出来るようにはなった。 「・・・神楽!」 「ならこの問題が出来たら一問見てあげるから」 「マジか!」 「・・・これが暫く続くのか」 僕はため息を吐いて、これから今の様な環境が続くことに目眩を覚えた。
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