テスト期間の一時

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轟音。 私の放った<インフェルノキャノン>はあの男に直撃した。 学校には対魔力装甲・・・要するに魔法に強い素材で作られているらしく、Sクラスの私でも大きな被害はおきてはいない。 パチパチと足下の草が燃える音と焼けた臭いに私は正気に戻る。 やってしまった。 いくら安い挑発に乗ってしまったとはいえ、怒りに任せた魔法を撃ってしまった事に変わりはない。 焦って嫌な汗を流すがすぐに冷静になる。 ・・・まがいにもSクラスの男。この程度では何とも無いだろう。 そう。自分は悪くないのだ。 挑発してきたあの男に否がある。 どうせ無傷か軽症。 後は言い合いで脅せば私の勝ち。 ・・・そんな考えも、視界が晴れたと同時に崩れ去っていく。
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