テスト期間の一時

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「あんた!どうして避けなかった!相殺しなかった!まがいにもSクラスでしょ!」 「・・・し、らねぇ、よ。言っただろ、僕・・・は、人数不足が理由で、入ったんだ。・・・実力、は。Fくら、すと、おんなじだ、よ」 「・・・あれは嘘じゃ無かったの?」 「そんな、嘘。僕に、なん・・・の、特が?」 自分の血で何度も転びそうになるが、痛む足に力を入れて、ヨロヨロとしながら歩き始める。 「ど、何処に行く!」 「んなもん、保健室だ、バカ。お前は、僕に死ねと?」 「そ、その程度魔法で」 「僕は闇魔法、のみ。回復魔法、なんざつか、えるかよ」 壁にもたれながらゆっくりと再び歩き出すと前にフランが立ちはだかる。 「お前、邪魔だ」 「そんなのすぐ治る。あんたが回復魔法を使えないなら私が治してやる。感謝しなさい」 「余計なこと・・・するな。それに、感謝、しなさい?お前が、元凶だろ」 「うるさい!大人しくしていなさい!<ホーリーヒール>」 人の話を聞かないフランは、魔法を発動させる。 フランの手から放たれる光により、僕のズタボロだった体が徐々に治っていき、昼休み終了の鐘が鳴り始めると同時に僕の体は修復された。
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