5039人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・っと、話がそれてしまったね。
授業開始まで後5分足らず。
全力ダッシュなら余裕を持って間に合う。
「・・・」
だが正面のめんどくさい奴(フラン)が今にも飛びかかって来そうな雰囲気。
何か言ってこの場を去りたいのだが。
「・・・」
何か言ってくれよ。
「私は謝る気は無いし、アンタを認めない」
・・・やっぱり黙ってくれよ。
「・・・ハァ。もういいよ。君の謝罪はいらないし、僕を認めなくていい。だからそこを退いてくれよ。授業に遅れる」
フランにそう告げて横をすり抜け「待て!」・・・ウゼェェェ。
何この人?どんだけしつこいんだよ。何回目だよくそったれ。
後数分で授業が始まる。全力ダッシュでギリギリ間に合うか。
「授業が「誓え!・・・神楽様にもう関わるな」・・・自分で言えよ。相手に面と向かって言えない臆病者が」
そう言って僕はフランの横をやっとすり抜けて走り出す。
「ギリギリ間に合う!」
単位が必要だから全力で走り出すのだが、
「私は!私は臆病者なんかじゃない!!」
後ろから飛んできた何かが僕に当たり、体制を崩した僕は緩やかな坂を転げ落ちた。
「・・・あ、チャイムがなった」
遠くで鐘が鳴るのを聞きながら。
最初のコメントを投稿しよう!