5039人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで、愚民の僕に何かご用ですか?」
「・・・その、なんだ、何で授業に来なかった」
「心当たりが無いとは言わせないけど?」
歯切れ悪そうに話すフランに対して、僕はいつも通りに問いかける。
「無い、と言えば嘘になる。去り際のあれだろう。・・・授業に来れないほど重傷だったのか?」
「はいはい。どうせ打たれ弱い僕が悪いんだよ。あの後、坂から転げ落ちて気を失って。優しい優しい先生から目が覚めるほどの起こされ方をしたんだよ」
寧ろ、あれだけ蹴られて目が覚めないとなれば確かに重傷だ。
「・・・」
「・・・何?用は済んだんでしょ。早く席に戻りなよ」
黙りこくって動かないフランに本日何度目かのイライラタイム。
周りの皆もチラ見からこっちを見ている者も多くなる。
「・・・そ、その、悪かった」
最初のコメントを投稿しよう!