テスト期間の一時

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「・・・へ?」 暫く沈黙していたフランが呟き、耳を疑ってしまった。 「だから!悪かったって言ってるのよ!」 そして絶句。 え?何?謝った?偉そうなコイツが?僕に? 短い時間とはいえ、自分で組み立てた相手の人物像を一瞬で破壊された気分になる。 だってそうじゃないか。あそこまでしつこくやって来たら、今のセリフは完全に『私は悪くない』と言うセリフが飛んでくるはずだったのだが・・・。 「・・・な、何よ?」 「・・・いや、何か・・・うん。意外」 「はぁ!?」 はぁ!?じゃねぇよ。クラスの皆の顔を見ろよ。ポカーンと口開けているぞ? やはりこれはレアなツンデレだなぁ。 「と、とにかく!謝ったからな!」 そう言うと、顔を真っ赤にして教室を飛び出して行く。 「「「・・・・・・」」」 10秒後、監督の教師と一緒に入ってきたフランの心情が気になった。
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