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「・・・落下中申し訳ないがこうなるとは考えなかったなのか?」
落下している最中、当たる瞬間に離れたクロウが平行して飛んでいる。
別荘に山とは言え、かなり強く吹っ飛ばされた。黒星で作ったパーカーが無かったら良くて骨折、悪くて死亡だ。
「いんや。言ったら怒られるのは予想していたし、こうなるとは予想していたよ」
まぁ、エリスやアイラならビンタで、ルーンなら拷問。まだフランのがましなのではないか。
「・・・とりあえず、生還しないとな」
僕は空中で体勢を何とか立て直すと、山の岸壁に手を翳す。
「最近思ったけどこう言う使い方もあるんだよね」
黒星から糸を出す。
その糸は鋭く、そして真っ直ぐに曲がる事なく発射される。
真っ直ぐに伸びていく糸はそのまま岸壁に突き刺さると伸ばすのを止め、糸がとたんに柔らかくなる。
それに引かれ、今度は岸壁に向かって振り子のように体をもっていかれる。
「そしてクッションとして」
岩に激突するする前に大量の糸を放出する。
その糸は壁にまとわりつくと、大きなスポンジみたくなる。
そのまま僕はそこに『ズボッ!』っと音をたてて埋まる。
「・・・ね?」
「・・・いや、ね?じゃねぇよ」
無傷(フランの傷を除いて)で壁につくと、後は糸を回収した後、ゆっくり糸を伸ばし着地する。
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