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「・・・1つ良いかしら?」
暫く変化がない風景を眺めながら歩いているとルーンが僕に話しかけてくる。
「・・・どうしてあんなことを言ったの?」
「あんなことって何の事?」
勿論ルーンが言いたいことは分かっている。
「フランから聞いたわよ。神楽を殺すって話よ」
「正確には全員が現状維持を望んだ場合だけどね」
笑いながらルーンの方を見れば、なんとも言えない顔。
「まぁ皆の様子を見る限り、話を聞いたのはルーンとアイラだけみたいだね」
「ご明察」
カインに言えばその時のうちに僕に噛みついて来るし、神楽本人に言うわけにもいかない。
・・・しかし、エリスに話していなかったのはちょっと意外だった。
「それで?ルーンさんは僕に何を聞きたいんだい?」
「どうして神楽を殺そうとなんて」
「そこはフランに話したけど聞いてないのかい?」
ルーンは聞いたけど納得していないもよう。
「聞いたならその通りさ。君達の恋愛事情なんて興味は無いけど、だらだらと本気じゃない告白やアプローチを見せられても困るからね。恐い云々言って続けるなら僕は神楽を殺すよ」
殺すなんて軽く言ってはいるが内心は本気である。フラれるのを恐れるならモブの子の方がよっぽど勇気があるよ。
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