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「それでも殺すことなんて」
「そうだね。実際殺す必要は皆無だね」
「だったら」
「それでも数ある選択肢の中なら僕は神楽を殺す。その方がこっちとしては都合が良いからね」
ケラケラ笑う僕にルーンは口を閉じる。
「・・・それでも貴方の考えは間違っていて、貴方が罪を被ることになるわよ」
「人間生きていることが罪。今は罪を償う善行をする為に生きている。元々罪があるなら2つも3つも変わらないよ」
「間違いと気がついているなら!」
「やめれる?馬鹿な事を言わないでくれよ。このご時世、罪なんて叩けば出てくる。誘拐、人身売買、人体実験。魔力が無いと家から追い出された5つにも満たない子供。そんなのこの世界ではよくあることじゃないか?」
「・・・ッ!」
この時、彼女が何か苦しそうな表情を見せた。
疑問に思い、自分の台詞を思い出していると答えの候補があった。
「そう言えば、ルーンさんって兄弟姉妹っているの?」
「ど、どうしてそんなことを?」
狼狽えた彼女を見てビンゴと決める。
「いや別に。僕は姉と妹がいて兄と弟はいなかったなってさ。確か神楽は一人っ子だったし、エリスも確か一人っ子。他はどうかなってさ?」
「そ、そう。・・・弟が一人いたわ」
『いた』ね。
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