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「さて、黒星の糸は」
僕の出る方法は至ってシンプル。
穴抜けのヒモ、アリアドネの糸同様。
入り口に糸を繋いでいるのでそれを巻き取りながら戻れば良いだけ。
「・・・塞がってるし。<シャドウエッヂ>」
同じように塞がっていたのならシャドウエッヂ程度でも開けれる。
後はかなり地震が続いているので少し急ぐぐらい。
「・・・にしても揺れが長い。展開的に神楽達が最深部に着いて、寝ているか封印されたドラゴンを起こしてバトっているんだろうな」
そんでもって終いには使い魔契約して幼女になるんだろうな。
先の展開を予想して笑みが溢れるが直ぐに止まる。
・・・やはり物語の主人公は神楽。
脇役である僕はただその場から逃げて主人公の武勇伝を聞いて羨むだけなのだから。
そう、僕は脇役だ。主人公にはなれない。
僕の人生は僕が主人公なんかじゃない。主人公は神楽で僕は何者でもなれない脇役なのだから。
・・・ほら、出口だ。
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