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・・・結局、今回の夏休みの海でのイベントは暗黒竜だけだった。
別に僕は盛り上がりであった肝だめしが洞窟探検に変わったり、聖なる竜を助けて契約するのが暗黒竜と戦って倒して封印に変わっても驚きはしない。
何故なら僕(イレギュラー)が近くにいるから。
こっちに来てから短いものの僕の存在のせいで王道がズレているのが何となくわかっている。
それでも王道と変わらないものもある。
神楽(主人公)が物語を体験して、僕(脇役)がその物語の様子を眺めていること。
神楽(主人公)の近くにはエリス(仲間)達がいること。
そして僕(脇役)には主導権が握れないことだ。
「・・・さて、帰ろうか」
海に別れをして魔方陣に手をのせる。
5秒。片手で足りる時間と共に視界は一転して僕達は城に戻る。
「それじぁ一旦解散。何かあったら部屋に遊びに来いよ?」
そんな寮暮らしならではの会話と共に解散。
「それじぁ御影。また明日」
約束もしてないのにまた明日と意味不明な挨拶をして背を向ける神楽(主人公)。
「・・・また、明日」
拒否の答えを持てない脇役(僕)はただ作り笑いをして手を振った。
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