夏が終わる前に

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・・・暇だ。 観察を始めて20分。 二人の観察をしてみたものの進展無し。 話をしているように見えるけど直ぐに終わり、歩き続ける。 いくら道中が森の中だと言っても近づきすぎると神楽とフランに気がつかれてしまう。 だから現在は木の上に立って離れて見ている。 「なぁ御影。クッソつまんねぇ」 「言うな。僕だって飽きているんだから」 僕の肩で暇そうに欠伸をするクロウに同意をしてしまう辺り後悔しているのかも知れないな。 「飽きているんなら帰ろうぜ?どうせ行って帰ってくるだけだろ?転移すれば良いじゃんか?」 「何でも神楽が言うには、転移には二通りの使い方があって、対象の魔力を探してそこに転移するか、知っている場所への転移するの二つ」 今回の場合は相手を知らない上、殆ど行ったことの無い場所なので前者後者共に不可能。 帰りは良いけど、行きについては分からないのである。 「転移も完璧じゃないんだな」 「そこはまぁ仕方ないさ。今回は行きだけついていって、着いたら帰ろう」
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