夏が終わる前に

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・・・しかし僕らの考えは甘く、こんな話をしている場合では無かった。 「クロウ!」 「分かってる!」 事態は急転。 神楽達の姿が見えなくなったのである。 それがただ見失っただけならまだ良い。諦めて帰るか、クロウに探してもらえばいい。 問題は神楽達を見失う瞬間、数人の男が一瞬姿を見せ、神楽達が逃げていったと言う事だ。 数人の男は恐らく盗賊だろう。 盗賊程度なら神楽達の実力なら問題なく返り討ちにできるはずなのに、神楽達は逃げたのである。 「御影!そっちの視界にはどうだ!」 「見えない。ここいらは草木が生い茂りすぎだ。黙視だとつらいぞ」 「こっちは一瞬だけとらえれたが見失った。動き回っているせいでどこに向かっているのか分からないぞ!」
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