夏が終わる前に

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「神楽は魔武器を携帯してなかったのか」 魔武器は魔力で出来ているわけではない。 魔武器は魔力で呼んで魔鉱石が形を成しているものなので、出していればジャミングされていても普通の武器としては使える。 逆を言えば出していなければ作れないのである。 「・・・とりあえず、今回はその線で考えよう。状況と理由は大まかには把握した。・・・後は」 「見つけて助ける?」 「僕なんかに出来たら・・・ね」 クロウを飛ばして旋回して戻ってくるが、 「・・・ダメだ。見つからない」 戦果は無く、神楽達の姿と命を把握出来ない。 「どうする御影?」 「・・・クロウ。それは分かってて言っているのかい?」 「生憎俺はお前の考えを全部理解しているわけじゃないんでね」 言葉のわりに楽しそうに語るクロウ。 コイツ、分かってて言ってるんだよな。 「・・・はぁ。良いよやってやろうじゃないか。その代わり、お前も命をはれよ」 「当然。ある手は使わないとな」 「クロウは魔力を張って。僕が合わせる」 クロウが僕の肩に乗り翼を広げて魔力の出力を上げてその魔力に僕も合わせる。 「こんな芸当は脇役ならでの裏技なんだけどね」 「全く。お前といると飽きないな」 「はいはい。それじゃあ始めよう」
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