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・・・?
いつまで待っても痛みが来ない。
疑問に思って盗賊の方を見ると、
「な!何だテメェ!」
「よくもサブを!」
ある一点を見つめ、盗賊が威嚇する。
そして胸の中にいるフランも同じようにある一点を見つめ呟く。
「な、何で魔族が」
俺も同じように視線の先を向く。
「・・・」
そこにいたのは一人の男。
全身を真っ黒の服に、真っ黒の手袋とブーツ。
しかし何より目を引くのはその背中に生えている一対の黒の翼。
そして口元は布で隠れており、頭は烏の頭上半分を型どった被り物をしていて表情が見えない。
「・・・あれが魔族」
男の足元を見れば先程、俺を切りつけようとした盗賊がズタズタにされて転がっていた。
「テメェ!」
「・・・」
盗賊の一人が魔族に斬りかかると、それをヒラリと避けた男は腕を横に振るう。
「ヒギャアァァァァ!」
「ゲン!」
瞬間、男がバラバラになって視界から消えた。
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