夏が終わる前に

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・・・? いつまで待っても痛みが来ない。 疑問に思って盗賊の方を見ると、 「な!何だテメェ!」 「よくもサブを!」 ある一点を見つめ、盗賊が威嚇する。 そして胸の中にいるフランも同じようにある一点を見つめ呟く。 「な、何で魔族が」 俺も同じように視線の先を向く。 「・・・」 そこにいたのは一人の男。 全身を真っ黒の服に、真っ黒の手袋とブーツ。 しかし何より目を引くのはその背中に生えている一対の黒の翼。 そして口元は布で隠れており、頭は烏の頭上半分を型どった被り物をしていて表情が見えない。 「・・・あれが魔族」 男の足元を見れば先程、俺を切りつけようとした盗賊がズタズタにされて転がっていた。 「テメェ!」 「・・・」 盗賊の一人が魔族に斬りかかると、それをヒラリと避けた男は腕を横に振るう。 「ヒギャアァァァァ!」 「ゲン!」 瞬間、男がバラバラになって視界から消えた。
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