とりあえず入学

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「さぁ神楽。僕なんかより君が言わなきゃ進めないよ」 納得いかないという顔をしているが、正直に言って今の僕らの現状は厳しい。 ここで2,3日でも良いので住まわせてもらい、後の住まいを考えなくてはいけない。 「・・・嫌、だった?」 エリスが少し泣きそうな顔をする。 「い、いや。大丈夫だよ。全然嫌じゃないよ。ただ、僕らみたいな人がこんな立派な所にいるのが場違いな感じがして」 「大丈夫だよ!もうすぐ学校が始まるから。始まったら寮生活になるから問題ないよ」 そう言い、エリスは神楽の手を握る。 「・・・エリス。ありがとう」 「ふにゃ!」 神楽が空いた手でエリスの頭を撫でるとたちまちエリスが真っ赤になる。 「すいませんが学校が始まるまで居てもよろしいでしょうか?」 「構わん。娘が気に入った相手だ。邪見にはしないさ」 すると、ぱあっとエリスが喜びだす。 「それと彼。御影も一緒に住まわせてもらえませんか?」
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