とりあえず入学

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「御影、入るぞ?」 夜。慣れない広さの部屋に戸惑う僕の所に神楽が現れる。 「どうかしたの?神楽君?」 すると神楽が少し苦笑いをする。 「ちょっと話があるんだ」 「神楽君から話?」 「あぁ。・・・まずなんだが、御影は俺の事どう思ってる?」 「どうって?」 変わった質問に首を傾げる。 「ほら、御影ってさ俺の事君付けするじゃん?何かよそよそしくて嫌われてるんじゃないかって」 あぁ。その事か。 「別に嫌いじゃないかな。ただ呼び方がわからなくてね。とりあえず君で呼んでたんだよ」 その事を聞いて神楽が胸を撫で下ろす。 「そっか。嫌われていたらどうしようかと思ってさ」 「あははは。ごめんごめん」 「それじゃあさ。これからは俺の事も呼び捨てでさ神楽って呼んでくれよ」 「呼び捨て?」 「あぁ。・・・いや、か?」 「ううん!別に嫌じゃないよ?」 「そっか!あぁそれと、さっきエリスが明後日から学校が始まるって」 学校。前の学校とは違い、魔法を教える学校。 僕は密かに胸を弾ませていた。 「そっか。頑張ろうね?神楽」 「・・・!?あぁ!頑張ろうぜ!御影!」 そう言って部屋から出ていく神楽を見送った。 「・・・君は優等生。僕は劣等生として頑張るよ」
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