とりあえず入学

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「ふぁ~あ」 結局、神楽の争奪合戦は昼休みまで続いた。 僕はと言えば、誰も話してくる事もないので昨日教えてもらった魔法の勉強をしていた。 「・・・午後は実技か」 「御影!飯食おうぜ!」 「良いけど。・・・良いの?周りの視線が怖いんだけど」 昼休みになった瞬間に怒号が聞こえたと思いきや、静かになり、顔を上げれば神楽と睨んでくる生徒達。 「あぁ。断るだしに使われたのか」 「そ、それもあるけど良いだろ?一緒に飯食うぐらい」 「・・・まぁ、良いけどね」 そう言って僕は鞄から弁当箱を取り出す。 「・・・?速く弁当出しなよ?」 「・・・何で御影は弁当があるんだ?」 「作って持ってきたから」 メイドの人達に調理場を借りて弁当を作成した。 「・・・貰ってきてないや」 「弁当忘れてきたのかい?」 「うぅ。・・・腹へった。御影ぇ」 「見てもあげれないよ。一人前だし」 涙目で睨んでくる神楽にため息を吐くと、僕は一方を親指で指差す。 「ほら。君のご飯が来たよ?」 「へ?」 神楽が頭を上げて指差す方を見れば重箱を持ち歩く女性が1人。 「か、神楽さん。ど、どうでしょう?一緒にお昼は?」 「エリス!あ、ありがとうございます!」 お嬢様のエリスが神楽の分のお弁当を作ってきていたのを知っていたからである。
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