とりあえず入学

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「・・・なぁ神楽。あの御影って奴。本当にお前の友達か?」 「どうして?」 御影がいなくなった後、カインがそう言ってきた。 それどころか、ルーンやアイラ。エリスまでが同じように見てくる。 「どうしたんだよ皆?そんなこと聞いてきて?」 「御影ってさ、お前となんか合わないと言うか逆の感じがするって言うか」 「神楽さんは明るくて順応性が高いって言うのか、もうクラスの皆と馴染めているでしょ?」 「比べて御影君ってさ、自分から話さないし、なんか暗い感じがしてね」 「神楽さんといることに不自然を感じます」 各々が答えていく。しかし、俺には皆が何を言ってるのか分からなかった。 「御影は良いやつだよ。アイツは口下手と言うか人見知りな所もあるけど、愚痴とかは嫌な顔をしないで聞いてくれるし、一緒に遊んだり勉強をしたり。・・・アイツはアイツなりに良いところたくさん持ってるんだよ」 言葉を聞いて周りの人はと言えば、 「そっか・・・悪いな!嫌なこと聞いちまって」 「そうですね。神楽さん、友人の御無礼を、お許しください」 「神楽君ごめんね。御影君を疑っちゃって」 「申し訳ありません」 皆が俺に向かって頭を下げてきた。 「いやいいって!疑いが晴れてくれたんだからさ!」 っと、 キーンコーンカーンコーン♪ 「あ、チャイム」 チラリと時計を見れば、 「や」 「「やっべー!!」」 「「「授業に遅刻!?」」」 すぐさま荷物をまとめて走り出した。 ・・・御影。せめて教えてくれたって良いじゃないか?
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