とりあえず入学

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チャイムが鳴ると同時に、小走りで訓練所にやって来る生徒が増えてくる。 「・・・魔法か」 時間前にいた御影は掌を見つめる。 一応、昨日は魔法の練習や勉強をやってきた。 神楽は1日という短い時間でもポンポンと上級魔法を使えてたり、あっという間に魔法の勉強を終わらせた。 対して僕はと言えば魔法は一種しかない上に魔力も一般より劣っていて下級の魔法を数発連射するのが限度で、魔法の勉強だってまだ分からない所も多い。 それでも、今までの日常ではあり得ないものが掌に存在している。 それに僕は歓喜した。それはもう魔法の勉強など苦ではなく、楽しくてしかたなかった。 「「「セーーーフ!!」」」 「・・・あ、来た」 歓喜に浸っていれば、教師より速く5人が滑り込んできた。 「まだ来てないよ」 「そ、そうか?・・・そういや全力ダッシュだったのに息がきれてないな?」 「それは多分、この世界に来て魔力という新たな動力源を得たからじゃないかな?」 「そういうものなのか?」 「他に思い浮かぶこともないし、今はそう思っていれば大丈夫だと思うよ」
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