武器と使い魔

37/45
前へ
/828ページ
次へ
「る、ルーン?」 2人の間に入って来たのはドSの女王のルーン。 「今、誰か失礼な事考えていた気配が」 「・・・御影」 「彼女は危険だ」 ルーンは辺りをキョロキョロした後、死神の前に歩いていく。 「貴方、死を恐れないって言ったけど貴方のそれ、無謀で無意味よ?」 「それがどうした?」 死神は動けないのか骸骨の顔でルーンを見る。 「貴方が怖いのは死ぬのがじゃなくて、不必要になるのが怖いんじゃないかしら?」 「・・・何を根拠に」 「貴方は死ぬのが怖くないって言ってたけど痛覚が有るみたいね?痛覚があるのであればここで彼に殺されるぐらいなら、戻って消えた方が苦しまずに済むのじゃないかしら?」 「・・・」 その言葉に死神は黙ってしまう。 「・・・そうだ。死ぬのが怖わいのではない。誰にも必要とされないのが怖い」 「死神の癖に?」 「痛覚がある以前に、我々にも感情はある。感情が無ければこうやって言葉を交わさない」 そう言って死神はまた立ち上がる。 恐らく、一撃でも貰えば死神といえど死ぬであろう。 「我は死神。歯車の一部。我が存在意義の為、禁忌を犯したものを裁く」 そう言って死神は武器を持たずに襲いかかろうとし、 「ふん」 ルーンに呆気なく転ばされて倒れる。 そして、 「貴方、私の使い魔となりなさい」 死神の前でルーンがそう言った。
/828ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5039人が本棚に入れています
本棚に追加