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「行くぞ!」
新田はそのまま身体を起こすと、琴音を背負って走り出す。
「待て!」
すぐ後ろで大島が叫んだ。
もうダメだと思った瞬間、新田が助けに来てくれたのだ。
なぜ新田が突然現れたのかは分からないけど、とりあえず助かった。
「待てぇえええ」
でもすぐ後ろから先生の声が近づいてくるのだ。
琴音は生きた心地がしなかった。
階段を降りながら、まだ力が入らなくて、何度も落ちそうになる。
落ちたら殺されるから、絶対に落ちるわけにはいかない。
「待てぇええええ」
先生の切羽詰まった声が、怖くて怖くて堪らなかった。
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