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それは所謂(いわゆる)お姫様抱っこというものになるわけで……
「わッ!!ちょっ、帝先輩!!」
葵はカアァと顔を赤くし、暴れた。
「すべて同じじゃつまらないだろ?落とされたくなければ大人しくしておくことだね」
そう言って帝は笑うが、目だけは笑っていない。
「(本気で落とされる……!!)」
そう直感した葵は赤かった顔を青くして、ピタリと動きを止めた。
そして
「フフッ、いい子だ」
チュッ
額にほんのり触れた唇に、まぁいいか……と力を抜いた。
「ねぇ、帝先輩?」
「ん?」
「……好き……です」
「ふぅん。でも俺は好きじゃないよ」
「え!?」
「愛してる」
the end
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