本当に好きな人

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「やッ、離して!!」 床に仰向けに倒された自分にのばされる手に、葵は懸命に抵抗する。 しかし、ただでさえ多勢に無勢の中、両手は上で押さえ込まれ、力の差は歴然…… 群がる男達は、無駄だと言うかのようにニヤニヤ笑い、葵の服に手をかけた。 「っ!!やだッ、やだってば!!!!」 「っうるせぇんだよ!!」 バキッ 「――ッ!!」 暴れる葵に苛立った男が、葵の顔を思い切り殴る。 その衝撃で口の中は切れ、唇の端から血が滲んだ。 『あぁあ、殴っちゃってかわいそー。フハッ、泣いてんじゃん』 『可愛い顔に傷つくんなよなぁ。殴んなら腹だろ、腹!!』 視界が涙で歪み、頬の痛みで頭がぼんやりする。 周りが何か騒いでいるが、今の葵には理解することも出来なかった。 ビリッと服を破られ、葵の意識は浮上する。 だが時はすでに遅く、次の瞬間には男の手が胸の突起に触れた。 「んぁッ」 こぼれ落ちる甘い声。 ゴクリ……と、息をのむ音が聞こえた。 「やっべ……マジ可愛んだけど」 一人がしみじみと呟き、顔を寄せる。 そうして、噛み付くように唇を重ねた。 「ッ!!んんっ」 けして口を開かないように、きつく歯を食いしばる葵。 しかし 「あッ!!ふっ、んッ」 不意に、他の男にズボンの上から自身を撫でられ、つい声をあげる。 そのために舌の侵入を許してしまった。 口内を犯される中で、カチャカチャとベルトを外される音が聞こえる。 「ッ!!!!」 葵は止めさせようと暴れるがその抵抗も意味はなく、ズボンは下着もろとも簡単に剥ぎ取られた。 もうだめだ…… そう諦めそうになった時、誰かの姿が頭を過(ヨ)ぎった。
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