秋良の独占欲

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冷たくて俺を突き放すようなその視線が怖くて、もう俺とは会話すらしてくれなくなるんじゃないかと思うほどに冷たくて… 「しばらく帰ってこないから」 鞄に着替えを詰めている南の後ろ姿を見ているだけしか出来なくて… 自然と涙が出そうになった 今まで怖いものなんてなかった 親に殴られたって、年上の不良に絡まれたって平気だった なのに南が俺から離れていくってことに今までに感じたことがないくらいの恐怖を感じてる 「ごめん…南、ごめん」 年上なのに情けないとか面倒くさいと思われるかも知れない だけど 「俺は南が好きだ」 どこが、何が、なんて聞かれても分からないし答えられない でも南が俺の前から居なくなることが怖くて辛い 「もう俺を好きかなんて聞かないから…」 気持ちを確認されるのがイヤなら、面倒なら、もう聞かないから… 「…俺をキライにならないで」 そう言うと同時に視界がボヤけて頬に涙が伝うのを感じた 泣くのなんて何年ぶりだろう 南からのキライって言葉だけでこんなになるとは思ってなかった 「なんで僕が怒ったか分かってる?」 そう言って振り返った南の瞳は少し寂しそうで 「先輩が僕の気持ちを疑ったからでしょ?先輩は僕が誰とでもあんなキスするとでも思ってるの?」 「そんなこと思ってない!」 「じゃぁなんで聞いたの?先輩はまだ僕の性格分かってないの?」
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