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「いったーい…。いきなり投げないでよぅ…」
涙目になり、上目遣いというダブルコンボ。
くっ…これが男?あり得ない!
「こんなに細くて可愛くて守ってあげたくなるような男がいるかぁ!千尋なんてもう知らない!」
思わず叫んだ言葉はポカーンとする千尋に届いたか何て知らない。
手に残ったアレの感触がむずむずとして気分を沈ませる。
「わ…悪かったって!まさかほんとに知らないとは思わなかったの!」
千尋が涙をポロポロと溢しながら近付く。
泣きたいのはこっちだよ!
「来るなぁ!やだぁ!もうや!やだぁ…」
久しぶりに流れる涙。
こんなときに流れても嬉しくないよ。
「ほら、私って女装が好きだしさ?これなら優希も大丈夫かなって…思ったんだけど…。逆効果、だったのかな…」
千尋の言葉にかっとなった私は
「うるさい!千尋なんか大っ嫌い!お嫁さんに行けなくなっちゃえ!」
と叫んだ。
「私は優希がお嫁さんになってくれればそれでいいけどー?」
千尋の口調がいつもと同じ感じになる。
「うるさーい!認めないんだからー!!」
立ち去りながら叫ぶ。
千尋は可笑しそうに笑いながらこちらを指差してたので
「千尋のばーか!!」
と言って走り出した。
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