第1章

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「いったーい…。いきなり投げないでよぅ…」 涙目になり、上目遣いというダブルコンボ。 くっ…これが男?あり得ない! 「こんなに細くて可愛くて守ってあげたくなるような男がいるかぁ!千尋なんてもう知らない!」 思わず叫んだ言葉はポカーンとする千尋に届いたか何て知らない。 手に残ったアレの感触がむずむずとして気分を沈ませる。 「わ…悪かったって!まさかほんとに知らないとは思わなかったの!」 千尋が涙をポロポロと溢しながら近付く。 泣きたいのはこっちだよ! 「来るなぁ!やだぁ!もうや!やだぁ…」 久しぶりに流れる涙。 こんなときに流れても嬉しくないよ。 「ほら、私って女装が好きだしさ?これなら優希も大丈夫かなって…思ったんだけど…。逆効果、だったのかな…」 千尋の言葉にかっとなった私は 「うるさい!千尋なんか大っ嫌い!お嫁さんに行けなくなっちゃえ!」 と叫んだ。 「私は優希がお嫁さんになってくれればそれでいいけどー?」 千尋の口調がいつもと同じ感じになる。 「うるさーい!認めないんだからー!!」 立ち去りながら叫ぶ。 千尋は可笑しそうに笑いながらこちらを指差してたので 「千尋のばーか!!」 と言って走り出した。
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