第1章

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「や!優希」 頭の中がぐるぐるしてるまま、家にたどり着き、そのままベッドにダイブしたかったのに、そのベッドには千尋がいた。 「な・ん・で!千尋がいるのよ!勝手に入らないで!」 願望を阻止され、ふるふると怒りが沸き上がる。 「優希が帰っちゃったからねー。まだお話ししたかったのー」 相変わらず可愛い笑顔で猫のように丸くなる千尋。 きゅんとくる胸を無視して 「話って何よ…。終わったら、帰りなさいね?」 と言いながらクッションに座った。 千尋が男なら、今までみたいにできない。 過去の自分を殴りたい気分だが、そんなことはできない。 「えへへー。優希大好き~!」 バッと千尋は立ち上がり、笑顔で私に抱きついた。 「どうしたのよ急にー…って!そうじゃないわ、離れなさい!」 にやつく顔をおさえ、千尋を引き離す。 「あぁん!いーじゃん優希ー。けちー」 千尋のしぐさが可愛い。 そんなことはずっと前から知ってる。 「じんましん出るでしょ!って…あれ?」 男に触れると、じんましんが出る。 でも、千尋に抱きつかれてなお、私の肌は反応なし。 「ゆーき。私なら、平気でしょ?」 千尋の笑顔にくらくらする。 私、千尋が好きなの? 認めない…認めないんだから!!
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