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「とにかく!千尋は男なんでしょ!?何で黙ってたの!?」
私が千尋に詰め寄る。
顔が近いよぅと言いながら目をそらす千尋にイライラする。
どうして、私はこんなにドキドキしてるの?
ずっと前から、そうだった?
「入学式の時も自己紹介でちゃんと男だって言ったもん!優希が聞いてないから悪いんでしょー?」
怒っている表情。
それすらも、可愛いと感じてしまう。
「だって毎年聞いてるんだよ?親友の自己紹介なんて興味ないよー」
どうして、私は千尋にときめいてるの?
「優希ー。私なら、あなたとずっと一緒にいられる。優希が望むなら、男の姿に戻ってもいい。私じゃダメ?……いや?」
顔が近い今、千尋が真剣な表情でこちらをみている。
確かに、私の問題であった『男性に触れると、じんましんが出る』ことをクリアしたのは千尋が初めて。
千尋のことは大好きだし、問題はひとつもない。
「千尋………」
今まで、親友としか見てなくて、恋愛感情なんか知らなかった私が、千尋にときめいている。
ドキドキしてる。
「ゆーき……」
だんだんと近づく千尋の顔。
キス?キスするの?
早い…!早いよ千尋!
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