第1章

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「とにかく!千尋は男なんでしょ!?何で黙ってたの!?」 私が千尋に詰め寄る。 顔が近いよぅと言いながら目をそらす千尋にイライラする。 どうして、私はこんなにドキドキしてるの? ずっと前から、そうだった? 「入学式の時も自己紹介でちゃんと男だって言ったもん!優希が聞いてないから悪いんでしょー?」 怒っている表情。 それすらも、可愛いと感じてしまう。 「だって毎年聞いてるんだよ?親友の自己紹介なんて興味ないよー」 どうして、私は千尋にときめいてるの? 「優希ー。私なら、あなたとずっと一緒にいられる。優希が望むなら、男の姿に戻ってもいい。私じゃダメ?……いや?」 顔が近い今、千尋が真剣な表情でこちらをみている。 確かに、私の問題であった『男性に触れると、じんましんが出る』ことをクリアしたのは千尋が初めて。 千尋のことは大好きだし、問題はひとつもない。 「千尋………」 今まで、親友としか見てなくて、恋愛感情なんか知らなかった私が、千尋にときめいている。 ドキドキしてる。 「ゆーき……」 だんだんと近づく千尋の顔。 キス?キスするの? 早い…!早いよ千尋!
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