師匠だけど飽きてきた

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ソーガ「首飾りもそろそろ完成だな。」 今言った通り『エルメラ』の羽で作った 首飾りも今日で完成予定だ。 とりあえず、『エルメラ』の解体を するんだが、聞いても面白くもないだろう から省略させてもらう。 俺は黙々と作業して首飾りを漸く完成 させた。出来映えは俺が作ったに しては中々の物が出来たと思っている。 時刻はそろそろ夕方。早く帰らねぇと ルイナの誕生会が始まっちまうな。 俺は足早に山を降りた。 ソーガ「……どうなってんだよこれ!?」 俺は目の前の光景に行きを飲んだ 村が所々燃え、村の奴等は盗賊から 悲鳴を上げながら逃げ惑う。 ちらほらと動かない奴等も……。 ソーガ「っ!ルイナは!?」 動かない奴等をみて俺は幼なじみの 辛辣な親友を思い出す。 襲いかかる盗賊達を殴り飛ばし ルイナの家に向かう。 ソーガ「ルイナ!!」 扉を蹴破るとそこにはルイナが倒れていた ルイナ「………ソーガ」 ルイナがか細く声を上げて俺の名を呼ぶ ソーガ「お前怪我してんじゃねぇか…。」 ルイナは頭から血を垂らしながら 俺に手を伸ばす。 ルイナ「ソーガ……私もう駄目みたい。 お父さんもお母さんも目の前で……。 ウッ……殺され……ちゃった……。」 ルイナは栗色の髪で隠れた目から涙を 流し、 両親が殺されたことを語る。 ルイナ「誕生日……だったのにな……。皆で 笑って…過ごしてた…筈だったのにな。 私…死んじゃうだよ……。」 悲しそうに寂しそうにそう言うルイナは より一層涙を流し俺に問いかける ルイナ「死んだらどうなっちゃうんだろうね。天国って……ある…かな? お父さんやお母さんとまた 暮らせるかな…。」 ソーガ「死ぬなんて……言うなよ。っ!ほら お前のために作った首飾り。無駄に なっちまうだろ……。」 俺はポケットに入れて持ってきた 首飾りをルイナに見せる。 ルイナ「『エルメラ』の……首飾り……。 あんた、意味わかって持ってきたの? それ……渡すってことは貴方への愛を誓うってことなのよ。 どうせあんたのことだから 意味も分からず持ってきたんでしょ。 やっぱり…あんた……馬鹿ね」 次第にか細くなっていく声でそう伝えた 勿論俺はそんな愛を誓うなんて意味は 知らなかった。それでも……
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