7562人が本棚に入れています
本棚に追加
夜明け前。
一日の最低気温は、きっとこの時間帯に観測される。
私は、なんとか布団から抜け出し、バイトへ行く準備を始める。
バイト中は上から制服を着るから、中は厚着できない。ダウンジャケットを着て、マフラーを巻きつけ手袋をはめ 、家を出た。
まだ、起きている人も少ない。
街灯に照らされた息が真っ白で、ため息を吐くとさらに伸びた。
頬が痛くて手袋の手のひらで覆い隠す。モールの肌触りが心地よかった。
今は、耳が隠れるように、髪をおろしている。
時間に余裕はあるけれど、小走りで住宅街の細い道を曲がり、大通りへと向かう。
最初のコメントを投稿しよう!