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「後で、志信が怒るぞ」
怒ってもいい。
おやつを食べていると、
くしゃみをしながら兄ちゃんが帰ってきた。
僕が行っていたことは知らないので、
何故起こさなかったと、
典史兄ちゃんを怒っていた。
「気持ち良く、眠っていたからさ」
典史兄ちゃんが、兄ちゃんに笑いかける。
優しい笑顔ではなくて、いたずらな笑顔で、
それはいつも、
兄ちゃんや直哉兄ちゃんにしか向けられない。
「黒井、後で、蔵の中を点検してくれる。
最近、
又物音がするから」
「いいけど、俺、夕方から仕事だから、
今見てくる」
典史兄ちゃんは、
この家に結界を張っている。
結界の中は、
悪い霊とかは動けないけれども、
悪意のないものは簡単に動けてしまう。
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