第一章 天使と過ごす

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 お兄ちゃんはズルイ。 僕には座敷童子と遊ばずに、人間と遊べと言うくせに、 自分は天使と友達だ。  天使、黒井 典史(くろい てんし) 僕は、典史兄ちゃんと呼んでいる。 本当に綺麗な天使で、 庭の鯉なんて、 エサもやらないのに典史兄ちゃんが近寄ると、 皆寄ってくるくらいだ。  典史兄ちゃんは、 普段はキラキラした光の羽を背負っているが、 羽を実体化してと頼むと、ふかふかの羽にしてくれる。 ふかふかの羽を布団にして、 昼寝をしたら最高の気分になる。  羽があって、 どうやって生活しているのか不思議に思っていたら、 この羽は典史兄ちゃんのことが心から好きで、 大切だと思っている人にしか見えないと最近分かった。
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