第三章 大好き

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「行かないよ。 又、遊園地に迷子の幽霊が出るとか何かだろ。 俺は、霊が見えないし霊の声も聞こえない」  霊能力者をやっているけど、 典史兄ちゃんは霊感がない。 「じゃ、デートで」 「又、騙して現地まで連れて行こうとかするなよ」  ケンカばかりしているのに、 よく一緒に出掛けてゆく。 「座敷童子の館というのが出来たのだけど、 パワースポットで人気。 本当の座敷童子らしいぞ」  典史兄ちゃんが深いため息を吐いた。 「害が無いなら、放っておけ」  霊にだって色々ある。 座敷童子に、 どうして座敷童子になったのかを聞いたら、 大切で守りたい存在のため、 頑張ろうと思っていたらなっていたと言っていた。
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