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遊園地にきっと大切なものがあったのだ。
そっとしておいてあげればいい。
「それに、ここにも座敷童子に近い一穂が居るだろう。
ちゃんと遊んでやれ、
兄貴なんだから」
兄ちゃんと遊びたくない。
兄ちゃんと居ると、厳しい先生が一緒のようで、
緊張するから嫌だ。
「典史兄ちゃんがいい」
あらあら、ずいぶん懐いてしまってと母さんが笑うけど、
懐いているのではない、
僕は恋人候補だ。
兄ちゃんのライバルだ。
「俺か、じゃ休み取るかな。
一穂と遊園地行くために」
典史兄ちゃんとデートだ。
「俺はダメで、一穂は即答OKか」
僕は、本当に嬉しかったのに、
次の土曜日に遊園地に行こうとすると、
兄ちゃんも直哉兄ちゃんも一緒に付いてきていた。
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