第三章 大好き

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「一穂、座敷童子は居る?」  この建物に、座敷童子は居る。 可愛い女の子で、 甘味処の椅子に座って、 店内をにこにこと楽しそうに見ている。 「居るよ、すごく楽しそう」 「そうか、良かった」  無理やり繋がれているとかではなくて、 典史兄ちゃんは安心したみたいだった。 「一穂、何か食べようか? モテモテの志信はあっちに置いておくとして」  あちこちの女の子から、 兄ちゃんは声を掛けられていた。 「アイス」  アイスとコーヒーを注文すると、 座敷童子と目が合った。 「かのこちゃんと言うのだって」  声も聞こえてきていた。 「共鳴するな一穂」  典史兄ちゃんが、 ちょっと険しい顔をして羽で僕とかのこちゃんを遮った。
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