第四章 花火の先に

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 典史兄ちゃんは、 灰を取り出すとイスに掛けた。 「あのお客様、本日は閉店いたしました」 「俺、霊能力者で黒井と言います。 代金は要りません、 この子に呼ばれて来ました」  かのこちゃんが実体化した。 典史兄ちゃんは、 灰を媒体に、霊を実体化する能力を持っている。 「かのこちゃん、言っていいよ」  かのこちゃんは、 イスから飛び降りるとママに走り寄った。 「ママ、大好き!」  ママは驚きながらも、 かのこちゃんを抱きしめて涙を流していた。 「ママもかのこが大好きよ」  パパも走り寄ってきた。 「かのこ、パパも大好き」  三人で、号泣している。
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