第四章 花火の先に

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「パパ、ママ、 かのこ一緒に居てあげられなくてごめんね。 でも、天国に行ったら、 二人にかのこの弟を紹介してあげるからね。 だから、仲直りして、 かのこ、じゃないと行かれない」  分かったよと、 パパとママが手を取り合った。 「では、かのこちゃん。 光が見えるよね?」 「花火が見える。 前にパパとママと一緒に見たの」  花火?光に近いから大丈夫かな? 「消えるときは、光の方向に進んでね」  典史兄ちゃん、 除霊とか浄化とかが全くできない。 実体化を解く時の仮の死で、 自力で成仏してもらうほかに方法がない。  あっ、 かのこちゃんが変な方向にと思ったら、 突然現れたお婆さんが、こちらに深く頭を下げて、 かのこちゃんの手を引いて行った。
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