第2話 ランナー

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二時間後の現在… もうどれくらい走り続けているのだろう… すでに幾人かの脱落者が出ており、そのたびに背後で地面に倒れ込む音が聞こえた… 今の景色はまた大きな道路だが、この二時間の間に商店街も通った… 商店街にいくつかあった電気屋のテレビでは「連続通り魔事件で指名手配」とか「万引き多発で店が潰れた」とか「陸上競技でメダルラッシュ」とかのニュースが流れていた。 陸上といえば、私は学生時代に陸上部の選手であった。 しかも、長距離の選手。 ブランクがあるとはいえ、やはりその経験のおかげで今も脱落せずに走り続けてることが出来ているのだ。 ありがとう、学生時代に陸上部に誘ってくれた内田君! 果たして脱落した人たちがどうなってしまったのかは後ろを振り返って見ていないため分からない…。 なぜ振り返れないのか…答えはシンプル…怖いからだ。 得体の知れない何かが何なのか分かってしまうのが怖い…。 その正体によっては腰を抜かして走れなくなるかもしれない…。 そう、私はとてつもなく怖がりだ。 リングとか、サダコとかの三文字を聞くだけで恐怖を感じて体が震えてしまうくらいだ…。 だから、絶対に振り向かない! 前しか向かねぇ!
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