第2話 ランナー

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これは… これは…誰かが襲ったんだ! 刃物を使って、次々と人を襲ったんだ! その刃物を持った恐ろしい通り魔から逃れるために、皆逃げてたんだ! でも、逃げ切れずに皆やられてしまった…。 そして、その中の2人だけがあの店の店員さんで、通り魔に気づかずに万引き犯である私を追って… 「うぐっ……!!」 苦しそうな声の直後、バタリと隣の内田君が倒れた。 "内田君!" そう叫ぼうとしたが、声を出す前に何かが自分の体を貫いた。 赤い鮮血がほとばしり、地面に倒れ込む…。 私は見た…私を見下ろす悪魔の顔を…。 その顔はあのニュースでやっていた連続通り魔事件の指名手配犯の顔であった…。 しかし、 私にとっては、リュックから飛び出してしまったカオリの方が大事だ…。 カ…カオリ…。 必死にカオリに手を伸ばしたが… ………… 手が届く前に、私は息絶えてしまった…。 遠くからパトカーや救急車のサイレンが響いてきた…。 赤い血溜まりの中で、"カオリ"だけが一人キラキラした笑顔で宙を見つめていた…。 (Fin.)
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